暗号システムのデザイン(仕様検討)



暗号システム開発の例題として採り上げる、暗号システムのデザインを検討する。

システム実装のプラットホーム

暗号システムは、以下のようにマイクロプロセッサによるプログラム制 御とFPGAによるハードウェア制御の連係により処理を行う実験システムをプラッ トホームとする。



プロセッサボードはアットマークテクノ社製 Armadillo-440 で、プロセッサ として Freescale i.MX257 を使用している。i.MX257にはプロセッサコアとし てARM926EJ-Sを使用しており、OSとして Debian GNU/Linux が動作している。 液晶画面に X window の表示、およびタッチパネルによる操作ができるため、 GUIを利用する組込みシステムを容易に実現することができる。

FPGAボードはXilinx社製Spartam-3E XC3S250-VQ100-4 を実装しており、プロ セッサボートはGPIOを介して16本の信号で接続されている。

このプラットホーム上で暗号システムを設計・実装することを検討する。


ソフトウェアとハードウェアとの連係

プラットホーム上でのハードウェアとソフトウェアとの連係は以下のように実 現されている。



プロセッサ側では、Debian GNU/Linuxが動作し、さらにX windowによるGUIを 利用できる。アプリケーション開発言語としてはJava言語を使用し、 またJava SwingライブラリによりGUIアプリケーションの開発も可能である。

ハードウェア側はGPIOを介して接続されており、Debian GNU/Linuxからは sysfsデバイスドライバを介して自由に制御できるようになっている。

このプラットホーム上で暗号システムを構築する場合、以下のように実 現すると良いだろう。



暗号システムの暗号・復号器はハードウェアとして実現する。そして、液晶画 面上に鍵と入力文を入力させると共に、ハードウェアによる暗号または復号後 の出力文を画面に表示させる。


暗号システムのデザイン(仕様検討)

暗号システムの開発に際し、まずはシステムのデザイン(仕様検討)を 行う。
  1. 要求仕様検討:どのような暗号システムを開発しようとするのか、 システムへの要求事項を明確にし、開発の際の問題点等を明らかにする。

  2. システム仕様検討:要求仕様を基にして、実際に開発するシステムの仕様 を決定する。
    例)暗号方式の検討、GUIのデザイン、など

  3. 設計仕様検討:システム仕様を基にして、具体的な設計仕様を明確にす る。この仕様書を見れば、ソフトウェア部分およびハードウェア部分を誰でも 設計できるレベルにまで詳細化する必要がある。
本Web資料について一通り目を通した上で、各グループ毎に自由な発想で、オ リジナルな暗号システムを開発してほしい。
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