演算器構成例


定義した ALU は大きく分けて算術演算(加算、減算、インクリメント、デクリ メント)および論理演算(論理和、論理積、排他的論理和、論理否定)に分かれ ています。これを、算術演算部および論理演算部とすると、以下の図のように (a)縦続接続する方法と(b)並列に接続する方法が考えられます。

これらのブロックの中で、算術演算部が論理的な段数が多く信号が伝播するた めに必要な時間は算術演算部が最も大きくなると考えられます。

また算術演算部は基本的に加算器から構成されています。加算器を構成する際には、

などがあります。順次桁上げ加算器と桁上げ先見加算器を比較すると通常キャ リーの伝播がある順次桁上げ加算器の方が演算時間が遅く、演算器のデータ幅 が大きくなるほどその傾向が大きくなります。

演算速度の点からは、並列接続でかつ桁上げ先見加算器を使用するのが速くな りますが、回路規模は最も大きくなります。一方従属接続でかつ順次桁上げ加 算器を使用する場合がもっとも演算時間が大きくなるが回路規模は最も小さく なります。

したがって、通常ALUを設計する際には、回路規模(実装面積)と演算速度のト レードオフとなります。


演習では、構成としては縦続接続、加算器としては桁上げ先見加算器を使用してALUを設計する例について説明し実習を行います。

以下、 ALUを設計する上で必要な事項補足します。


| Back | LSI Design Home |

My mail address is kuga@cms.kyutech.ac.jp .
Last modified on .